猫の島に行ってきた(後編)
夕食はあわび、松藻、ふのり、たらのめ、くじらなど地元で穫れたもの(あとで聞いたが、海藻はその日におばさんが穫ってきたという)が中心。疲れで爆睡するも翌朝は朝食前に猫の様子を見に行きたいので朝5時半起床。
我々同様、朝飯前の猫達に出会う。この家の前には写真に写っているよりも多くの15、6匹の猫が居た。家の人が食餌をあげるところには大勢集まっているようだ。
そうではない場合でも、漁から帰る人が猫に分けてあげたりしている。どうも猫達は飼い猫ではなく、野良というよりも"地域猫"として島民から可愛がられているようだ。
このおばちゃんにも「何撮ってるの?」と声をかけられたが、行き交う人たちから声を掛けられる。おそらく島民同士は全員顔見知りだから、観光客にも声を気軽に掛けてくれるのだろう。
田代島は周囲11キロくらいの小さな島。集落から少し歩くとこんな海岸に出た。
港に行ってみた。
防波堤のところまで猫が出てきている。
今日は休みの日のせいか漁があまりないらしく、閑散としていた。朝食のため民宿に戻る。この日は少し寒かったので、居間でおばさんの話をさかなに!?朝食を戴く。と、そこに市議会議員選挙に出る前議員が挨拶回りに来た。どうも市選管職員による投票所での投票用紙配布ミスに端を発したやり直し選挙が行われるらしい。「市も赤字だっていうのに」と不満をもらすおばさん。おばさんの推定では田代島の有権者は3、40人とのこと。その割に家はたくさん立ち並んでいるので、その旨尋ねると、ほとんど空き家だという。見るからに廃屋と思われる家もあるが、そのほとんどは空き家になって間もないように思えた。
魚がだんだん穫れなくなる→島を離れる→子供が少なくなる→小学校か廃校に→老人ばかりが残る、という悪循環で人口が激減しているらしい。その一方で漁業権を貸して(たぶん)、岩手県から定置網をしに来ている人たちがいたり、脱サラして漁師民宿を営んでいる人もいる。またおばさん曰く、島に惚れ込んで関西から移住するつもりで来た人もいたらしいが、当て(島で穫れる魚や野菜を分けてもらうことや家の立て替えのため建材を船で運ばなければならない現実)がはずれて、一時帰省しているらしい。
確かに、静かで世の喧噪とは隔絶されていて、住みたいな〜と思うものの、そのためには、まず船舶免許を取得して自給自足する一方で、事業を起こす覚悟がないと難しそうだ。だって、島で買ったカップヌードルの値段が175円だよ(しかも選べない)。このままだと島の将来どうなっちゃうんだろうと思わないでもない。だが、便利になればなったで、いわゆる"失われつつある日本の風景"と同じ道を辿ることになるのだろう(なんていうことを帰宅後に山形県酒田市の飛島の様子を報じた「クローズアップ現代」を見て感じた)。
定置網の網を乾かしているところ。
乾かした網はこうやってまとめられる。
帰りの船。この時まで見なかったが観光客が我々以外に3組がいたことが判明!! あと、課外授業らしい先生と生徒7名(前の日に釣りをしているのを見かけた)がいた。